KT様邸
KT様邸
名前:KT様邸 新築工事
工事場所:新潟県阿賀野市
構造種別:木造2階建て
建築面積:131.37㎡
工期:5ヶ月
価格:3000万円(地盤改良、外構工事、造り付け家具、カーテン、エアコン、その他込み)
①住まいづくりに関して、何もかも初めてなので、土地探しから相談したい。
②夫婦の通勤や、これから生まれてくる子供の通学などの利便性と、両実家からの距離を踏まえた土地探しをしたい。
③家族のために、健康で安心して住むことができる家にしてもらいたい。
④快適に暮らしたい。
⑤できれば、今の家賃とさほど変わらないローンの返済額にしたい。
①夫婦共働きなので、負担なく家事ができるような動線を確保する。
②断熱性を高めて、冬暖かく、夏涼しい家にする。
③家の性能とデザインにバランスよく費用をかける。
④家族構成の変化に対応できる可変性のある間取りにする。
⑤効率的な収納計画で、すっきりと暮らせるようにする。
⑥オリジナル造り付け家具で、安全でトータルコーディネートできるインテリアにする。
①玄関から、食品庫・キッチンへと繋げて、日々の生活を便利にする。
②キッチンを対面式フラットにして、家族のコミュニケーションを確保する。
③キッチン背面の収納を充実させて、きちんと片づけられるようにする。
④キッチンから、テレビ・窓・和室を眺められるようにする。
⑤和室天井に、スノコ状の通風孔を設けて、1階と2階の空気を循環させて、冷暖房の効率を上げる。
⑥2階階段ホールを物干し場として使用できるようにして、物干し金物や引出し収納を設置する。
⑦寝室脇に、オープンなウォークインクローゼットを設け、ハンガーパイプや棚を充実させ、床面積以上の収納量を確保する。
環境パイルS工法(木材を利用した環境負荷軽減工法)
この工法は、小規模建築物に持ちる複合地盤補強工法です。補強材固有の支持力に地盤支持力を与えることで複合的に地盤を補強し、建築荷重を支えます。
この工法は、複合地盤として地盤全体の支持力剛性が向上するため、基礎作用する応力は補強材に集中せず、適切な配筋量・断面での設計が可能となります。
また、高品質な防腐防蟻処理を実現することで、「腐食しない」「蟻害しない」高耐久性を実現しています。
将来的に建て替えの必要が出た場合も、杭を引き抜き、新しいプランに合わせた地盤改良が可能です。
表層改良や柱状改良は、コンクリートが地中に残るため、地中排泄物となり、新しいプランに合わせた地盤改良をする前に、多額の費用をかけて処理する必要があります。
よく、底板一面が鉄筋コンクリートで覆われているベタ基礎の方が、建物の荷重を基礎全体で分散して受け止めることができると言われていますが、べた基礎も万能ではありません。
図のようなバランスの悪い地盤では、テコの支点の作用で、べた基礎の長所が発揮されません。
大切なのは、地盤と基礎のバランスです。
地盤改良をして、べた基礎にすると過大設計になり、コストも無駄になります。
きちんと地盤改良をした後、べた基礎よりコンクリート量が少ない分基礎自体の重さが軽い布基礎で、地盤にかかる負荷を少なくすると、構造計算上有利に働きます。
地盤改良、基礎工事が完了したら、いよいよ建て方です。
前日までに足場を組んで、材料を搬入し、建て方に備えます。
基礎天端に防蟻・防湿のため土台ガードを敷きます。
次に、基礎と土台の間に基礎パッキンを挟みます。基礎パッキンは基礎から土台を分離させるので、基礎からの湿気が土台へ浸透するのを防ぎ、建物の耐久性を向上させる効果があります。
建物の周囲にわたって通気孔ができることになり、全体的に風が通るので、基礎を欠きこんで通気口を設ける場合に比べ、通気量が多くなります。
基礎パッキンの上に、土台を敷いていきます。
アンカーボルトで、基礎と土台をしっかりと繋ぎます。
基礎とともに、床の荷重をしっかりと受け止める役目を果たしている大引きを留めていきます。
土台の上に、1階の柱を立てていきます。
立て終わった1階柱の上に、梁・桁を組みます。
2階の床となる下地板を張り、その上に2階の柱を立てていきます。
屋根の骨組みを組んでいきます。
母屋(もや)とは、屋根部材の一部で、母屋は屋根の最も高いところにある棟木と並行して配され、軒桁との間で、垂木を支える部材のことです。
小屋梁の上に、小屋束を立て、その上にあげられます。
この屋根の最も高いところにある棟木を設置するところまで構造躯体を熊上げることを棟上げ・上棟といいます。
小屋束と母屋をコの字型の大釘(カスガイ)で固定します。
垂木を母屋にビス留めします。
垂木とは小屋組の一部で、屋根の一番高い箇所である棟木から屋根組の一番下にある軒桁(のきけた)にかけて、斜めに取り付けられる部材のことです。
これで屋根の形が見えてきます。
垂木の上に屋根の下地材として板(野地板)を被せて固定します。
内部結露が発生しないように、高い防水性・透湿性を備えた下地材としてシージングボードを張ります。
優れた防音・調湿・断熱性能を備えているだけでなく、吸音性・遮音性が高く、屋根にあたる雨音などを和らげます。
念のため、シージングボードの上に、防水用の屋根フェルトを張ります。
ここまでやって、後は防水シートで建物の周囲を養生しておけば安心です。
防腐・防カビ・防蟻処理に化学薬品は使わずに、健康に配慮したホウ酸で行います。
ホウ酸は、土壌、海水、淡水、温泉、そして微量に目薬にまでと、身の回りのどこにでもあるものです。
また、人間をはじめペット等の哺乳動物、植物には微量の必須元素で、万が一取り過ぎた場合、体内に排出することができ、重篤な副作用も起こしません。
自然界、身の回りのどこにでもある鉱物で、透明無臭で空気中に発揮もしません。
安心安全で、シックハウス症候群も起こさない、人と環境にやさしい自然素材です。
そして、鉱物由来のため、効果は恒常的に作用し続け、維持します。
大引きの間に、根太を入れます。
根太は、床板を受ける横木で、床の荷重を大引きに伝えます。
柱と柱の間に間柱を立てていきます。
間柱は壁を構成するための部材です。
階段の踏み板を支える側板を彫り込んで製作します。
階段が完成しました。
内装材の下地として、壁・天井に石膏ボードを張ります。
外周りに遮熱シートを張り、その外側に壁内の通気をとるために、縦に胴縁といわれる木材を取り付けます。
床・壁の断熱には「硬質ウレタンフォーム30倍発泡」60㎜を使いました。
一般的なウレタン吹付とは違い、乾くと固くなり、指でついても穴が開かない、冷凍倉庫などの断熱材として使われるような優れた材料です。
床断熱材の上には、透湿防水シートを張って、床下からの湿気を防ぎます。
2階天井は、硬質ウレタンフォーム30倍発泡 105㎜厚を使用しています。
付加断熱として、外周りにEPS断熱材を張っています。
弾性に優れた断熱材ですので、塗り壁のクラック(ひび割れ)を防ぎます。
地震に強い住宅をつくるためには、頑丈な建物ではなく、壊れにくい建物にしなければなりません。
「耐震+制震」が必要です。
多機能不燃建材「モイス」と「筋交い」で耐震性を高めます。
モイスは天然素材の鉱物「バーミキュライト」を主成分としています。
天然素材でつくられているため、有害物質を含まず、シックハウス症候群を防ぎ、土に還すことができる素材です。
「モイスTM」は無機素材なので火災に強く、木のような粘り強さで地震の揺れや台風風圧なども受け止めて、建物を守ります。
・モイス耐力壁工法 ⇒ 壁倍率2.7倍
・筋交い(45㎜×90㎜)工法 ⇒ 壁倍率2.0倍
モイス耐力壁工法+筋交い工法⇒ 壁倍率4.7倍 となります。
地震の揺れを軽減させるために、油圧式制震ダンパーを併用します。
「油圧式制震ダンパー(ウィンダンパー)」は、震度7の揺れを、震度5の揺れに低減させます。
地震のエネルギーを最大50%吸収し、地震波との共振を防ぎ、長周期振動にも対応します。
外壁は、下地に付加断熱材EPSを張り、湿式塗り壁で仕上げました。
一般的には窯業系サイディングが多いのですが、揺れても割れにくい外壁を考えた場合、固い材料は窓部で亀裂が入りやすい材料です。
その点、この外壁材は、下地が断熱材で、メッシュを塗り込むため柔軟性に優れており、コーキングも使用しないので、コーキングの劣化に悩まされることもない優れた材料です。
仕上げに撥水剤を塗布しますので、雨染みも付きにくくなっています。
1階の壁は漆喰塗りで仕上げました。
防湿・脱臭性に優れた素材です。
1階の床は、杉無垢材の浮造り仕上げ30㎜厚を使用しています。
浮造り仕上げとは、美しい木目を引き立てるために、表面の木目の堅い部分だけを浮き彫り状に残す仕上げ方法で、木目に沿った凸凹を再現し、天然木ならではの美しさをより際立たせるとともに、凸凹により肌で触れたときの心地よさを感じることができます。
2階の床は、赤松無垢30㎜厚を使用しています。
表面はサンダー仕上げで、サラッとした気持ちの良い足触りが特徴です。
ツートーンで、爽やかな外観となりました。
揺れても割れにくく、繋ぎ目もなく、コーキングも使用していないので、劣化しにくい、メンテナンスフリーの外壁です。
リビングから和室まで見渡せるキッチンになり、家族の気配を感じられます。
正面には55型のテレビを壁付けして、食事作りや後片付けの時間も退屈しません。
キッチン奥の、大容量の食品庫には、食品だけでなく、日常で使う様々なものを収納できます。
食品庫は、玄関から直接入れるように設計してありますので、使いやすい動線を確保できました。
杉浮造り仕上げのフローリングと、漆喰の壁で、健康で快適な空間となりました。
オリジナル造り付け家具のテレビボードと背面と、腰帯板は、V溝加工の杉を張りました。
リビングに隣接した和室の天井には、和紙クロスを貼り、同色の和紙畳で落ち着いた空間になりました。
実は、施主様のご希望で、神棚下の収納には、ダイソン掃除機を収納してあり、収納内部に充電専用のコンセントを取り付けてあります。
造り付け家具も、杉無垢材でせいさくしてありますので、統一感のあるトータルコーディネートされています。
1階トイレの背面にはダークブラウンのアクセントクロスを貼り、LDKのイメージに合わせて落ち着いた雰囲気に仕上げました。
2階トイレには清潔感のある薄いブルーのアクセントクロスを貼って仕上げました。
浴室の断熱でヒートショックの危険を抑え、保温浴槽で省エネを実現しました。
洗面脱衣室に洗濯機置き場と物干し場を設け、使いやすい家事動線を確保しました。
2階ホールにも洗濯物干し場を設け、大量の洗濯物にも対応できるようにしました。
壁際の床を一部スノコ状にして、階下のエアコンの暖気を上げる工夫をしています。
天井に縦ラインでアクセントクロスを貼り、奥行きが広いイメージをつくりました。
寝室脇にはオープンなウォークインクローゼットを設けています。
中には棚やハンガーパイプを多く設けて大容量の収納に対応できます。
1階リビングの壁付けテレビボードに壁掛け金具でテレビを取り付けました。
背面に貼った無垢板の裏側に配線を隠してあるので、すっきりとしたLDKになりました。
キッチンにはカウンター収納を設けました。
カウンターを伸ばすことで、下にはゴミ箱の収納スペースができました。
窓下のウォールキャビネットは、きれいに飾ってインテリアの一部として。
LDKには壁厚を利用したボックス収納と本立てを設置しました。
上部のボックスはターミナルアダプターやLANのために、配線やコンセントを設置してあります。
2階ホールには750幅と900幅のローボードを設置しました。
洗濯物をたたんでしまえる便利な収納です。
寝室には置き型テレビボードとW450のローボードを設置しました。
ローボードの天板を伸ばしてドレッサーとして使うことができます。
何もかも初めての住まいづくりで不安がありましたが、土地探しから相談できたのでとても安心でした。
ローンの返済を、今の家賃とあまり変わらないようにという要望がありましたが、土地と建物を合わせた総予算から考えて頂いて、理想の住まいづくりをすることができました。
立ち木と小さな小屋のような建物があった土地でしたが、土地の価格とそれらの撤去費用を相殺してもお買い得というアドバイスをもらって、土地を決めることができました。
夫婦両方の実家のちょうど中間地点あたりなので、両親からも喜ばれました。
自然素材の良さはもちろんのこと、断熱性能にこだわった建物で、真夏でも外出から帰って家に入ると、確実に外気より涼しくて、心地いい家にして頂きました。
引っ越しの直前に子供が生まれましたが、住み心地が良いので、出産後実家に戻らずに、新しい家で子育てをスタートしました。
以前お世話になったお客様の息子さんご夫婦の新築工事でした。
信頼関係ができていた分、それにお応えできるように真摯な気持ちで新築工事に取り組ませていただきました。
若いご夫婦でしたので、無理のないローン返済でできるように、土地探しから始めさせていただきました。
不動産会社に出ている土地以外も、周辺をいろいろとまわって探し、場所・価格・広さともぴったりの土地を見つけることができました。
立ち木と建物がありましたが、撤去費用の見積りをしてみると、他よりも安く手に入れられることが分かり、ご提案させていただき、土地を決めていただくことができました。
耐震性能・断熱性能・耐久性・健康だけでなく、内装・外装とも塗り壁にするなど、こだわりの家が完成しました。
引っ越しのお手伝いをさせていただいた際、ご夫婦だけでなく、ご両親やご兄弟にも喜んでいただいて、お引き渡しをすることができました。
このご縁をいただき感謝しております。
末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。