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新潟から空家を考える  生前整理と遺品整理

今回は、「生前整理」と「遺品整理」の違いです。

生前整理とは、ご本人が生きているうちに、身辺整理をするという意味です。ご本人の意志があるので、大切なものがわかるという大きなメリットがあります。仮に遺言書やエンディングノートのような書面がなくても、誰に家を継いでもらいたいか、財産は何があるのか、不動産の名義や親族関係、リフォームの履歴など、聞き取りをすることができます。

親族も、本人の意志を尊重することができます。本人の希望を聞けるので、きょうだいなどのほかの親族との争いごとを防ぐことができます。たとえ片づけ業者を頼んだとしても、出費を最小限にしたり、片づけの希望について、親や家族に理解してもらい、片づいた部屋でその後の人生を安全に過ごすことができます。

それに対して遺品整理は、亡くなってから、家族や相続人など、周りの人が片づけることです。悲しみで遺族は精神的苦痛をともなうだけでなく、印鑑や通帳などの貴重品、思い出の品などを推測して探す作業が加わり、遺族にとっては大きな負担になります。遺族は、故人を思う気持ちから、遺品整理をするのが精神的にきつかったり、重要品が見つけられなかったりする場合もあります。

また、相続人で意見が一致しない、片づける人の時間や費用を確保できないなどの理由で、そのまま長期間空き家の状態となる危険が増します。

また、ほとんどの実家の場合、両親のうちひとりが先に亡くなり、高齢の親が一人残されることも多くあります。

残されたほうの親は、遺品整理をする気力も体力もなく、子世代が親の遺品整理と生前整理を同時にすることが多いのが、実家の片づけではよくあるパターンです。

【ハイリスクな遺品整理】

子世代は、親と話すのは面倒だし、もめるぐらいなら亡くなった後に遺品整理業者にまかせればいいという人もありますが、上手くいかないのが現実です。

葬儀代ならば相続財産から控除できますが、片づけ代は相続人が負担する必要があるからです。

親世代は、葬式代を残しておくという終活の考えがあっても、家や物の片づけにお金が掛かるから処分費を残しておこうというところまでにはまだ行きついていない人が多いのです。

片づけの手間や費用が払えずに家を放置すると、家は空き家となり、マイナスの財産になることもあるという認識を、子どもの立場から持つことが求められている時代なのです。

次回は、親が元気なうちに確認すべきことや、空き家になってしまった場合の片づけ・遺品整理についてお伝えします。

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