新潟から空家を考える 空家の管理
「片づけ」をする上で、親が元気なうちに確認すべき「実家の概要」があります。
できるだけ親が元気なうちに生前整理をしておくことがポイントとなります。実家の片づけが面倒で先延ばしにした結果、相続に至る方が多いといえます。
また、親世代の中には、相続の手続きは、いざとなったら税理士や司法書士に頼ればいいと思っている人もいますが、そうはいかないのが現状です。
税理士や司法書士に頼む前に、まず現状把握をして、権利関係を明らかにし、リフォームの履歴や土地の概要を整理しておく必要があるでしょう。
家の概要を知る書類は、おおむね家の売買・賃貸に必要な書類です。祖父母の代から登記していなくて売買できないという方も多いようです。
登記の名義はだれになっているのか、現状を把握しながらチェックしましょう。
■空き家になってからの片づけ・遺品整理はどうすればいいのか。遺品整理の手順をお伝えします。
親が元気なうちにできればいいのですが、避けられないのが遺品整理です。実際に遺品整理をしなければいけない場合、どのような手順を踏めばよいのでしょう。
●まずはご近所への挨拶です。しばらく空き家になっていたのならなおのこと、遺品整理を始めるときは、まずご近所にご挨拶をしましょう。遠方からわざわざ帰省して、自分の実家を片づけていたのに、空き家に侵入者がいると通報された例もあります。また、長年親が過ごしたことで、気が付かないところでお世話になっているかもしれません。荷物の運び出しなどで、車を近所に停めるなど迷惑を掛けることもあります。遠い親戚よりも頼りになることもあるでしょう。しばらく空き家の状態が続くときは、親族の連絡先を知らせるなど、細かい配慮をするのが理想です。
●次はライフラインのチェックです。片づけが終わるまで、なるべく電気や水道は止めないようにするといいでしょう。家を長期間空ける場合は、ブレーカーを落とす、水道の元栓をしめるなどの作業は必要です。
●食品や腐る物の処分。まずは食べ物などを先に処分しましょう。たとえ電気が通っている冷蔵庫の中のものであっても、時間がたつと腐りますので注意しましょう。
●貴重品・思い出の品の整理。貴重品、思い出の品は、親族で内容を共有することが大事です。その上で、片づける人数に応じて、部屋ごとに分担すると、早く整理できるでしょう。遺品整理業者に頼むときは、貴重品や思い出の品、形見の品を引き取っておくことが必要です。不用品回収業者を頼む際は、親族など、信頼できる人に見積に立ち会ってもらい、意見を聞いて決めましょう。業者には、廃棄物の処理に関する免許はあるのか、廃棄物はどこに運んでどのように処分するのか、追加費用の有無などを確認しましょう。安い業者に頼んで不法投棄をされたケースもありますので、地元の人などに相談して、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
●空き家の管理。空き家になってしまったら、空き家の管理が必要です。空き家のかんりは、できるだけ月1~2回通うのが理想です。ポストの郵便物を取り除き、窓を開け、エアコンや換気扇を回し通風します。キッチン、トイレ、お風呂場などを通水しましょう。床を拭き、庭や植木など異常がないかも確認して、ブレーカーを切ってから退出しましょう。自分で空き家の管理ができないときや、遠方で通えない時は、業者に頼みましょう。空き家の管理が長期化すると費用の負担が増えますので、生前整理のなかで、町内会費や固定資産税などと一緒に確認して、親族間ですり合わせておいたほうが良いでしょう。
●空き家の維持費について。空き家の管理には、維持費が必要です。空き家にする期間が延びるほど、管理の費用も増えます。売却を考える場合は、維持費がどのくらいかかるのかということも視野に入れて、売却価格を決める必要があります。
空き家の管理には、意外と費用がかかるものです。
次回は、空き家を防ぐ生前整理についてお伝えします。
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