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新潟から空家を考える  片付けの順番

今回は、迷わないで片づける順番のお話です。

子ども部屋と並行して、最初は「ハートから遠い(思い入れの少ない)場所」から進めましょう。特に、庭はきれいにしておいたほうが見栄えがいいだけでなく、防犯上の理由からもおすすめです。

次に、玄関の靴、廊下や床に置きっぱなしの雑貨類、出ている服など、生活の動線上にある「床置き」の物を片づけましょう。そして、目線を上に移し、食器棚やタンスの上、寝室の頭の上にある物などを片づけます。地震の際に落ちてきたら危ないので、上部にある物をなるべく失くしていきましょう。

図のように片づけていくと、片づけやすく、スムーズです。

片づけは、介護の不安を減らす「安心、安全、健康に暮らせる家」にすることでもあります。

片づけのゴールは、キレイに収納することではありません。親が高齢になっても、安心、安全、健康に暮らせる家です。親が元気であれば、空き家にならずに済み、相続に必要な終活をしてもらうこともできます。介護の不安も減り、たくさんのメリットがあります。

親が元気なうちに一部屋分のスペースを空けておけば、もし在宅介護の問題に直面した時も、介護ベッドや医療機器を入れたり、薬品や紙おむつなどを保管するのに困ることはないでしょう。元気なうちは、孫が遊びに来た時のスペースや来客用の部屋と伝え、一緒に片づけると、無理がなく納得してくれることが多いようです。

段々、片づけに慣れてきたら、財産などの情報や重要品の整理に手をつけましょう。片づけが進んでくると、お金の話もしやすくなります。お金の話は「床を直すリフォーム資金どうする?」「使いやすいように、キッチンを電化にしようか」など、さりげなく話題にしていくと良いでしょう。

私の地元である新潟では、大きすぎる家が多くありますので、実際にリフォームやリノベーションをして、高断熱住宅にすることで、ヒートショックなどをなくし、更に安全に使いやすくすることも必要な場合があります。

片づけるプロセスで様々な情報を共有しておくことは重要ですが、いきなり「遺言書書いて」「エンディングノート書いて」というと、心理的抵抗があるので、注意しましょう。「地震で非難するときに安心だね」と、防災面をアピールしてリスト化してもらうのもいいでしょう。

また、常備薬やお薬手帳など、具合が悪いときに見つからないと命にかかわるものは、整理してひとつにまとめ、親自身になるべく管理してもらい、同時に家族で所在を共有しておくのは必須です。

片づけのゴールは、「安心、安全、健康に暮らせる家」を目指すことです。決してきれいに収納することでなく、とくに貴重品や健康に関する物を片づけるときの親子での会話が、進行をスムーズにするポイントとなり、スムーズな相続となり、空き家になるのを防ぎます。

まずは、小さなことでもいいので、片づけを始めるといいでしょう。

片づけは、人生100年時代の新しいマナーとなりつつあるでしょう。そして、誰もが避けて通れないことでしょう。

物や家は、買っておしまいというわけではありません。放置することは許されず、持つ責任が深く問われる時代となりました。空き家となると、親族の心身や経済的にも負担が大きくなります。親族だけでなく、倒壊した家は、近所や道を歩く人へ危険をもたらすことになりかねません。

「住む、貸す、売る」など、家の将来をシミュレーションしながら、できるだけ早く片づけに取り組むことが望まれます。

次回から、仏壇を処分しなければならない場合についてお話します。

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